~美術館~ 新古典主義とロマン主義
ヨーロッパで18世紀末から19世紀にかけて登場した2つの新しい芸術思潮、「新古典主義」と「ロマン主義」の特徴を挙げてみました。
●新古典主義
ルーヴル美術館所蔵の「ナポレオン1世の戴冠式」(ダヴィド)は、美術史においては、「新古典主義」に属する作品と言われます。
新古典主義の特徴は、ギリシャ・ローマの古典様式を模範とした、理想化された人間象にあります。「美しい肉体には美しい精神が宿り、それは限りなく神に近い」とされた古代ギリシャの精神がここにも見られます。理想化された人間が、明瞭な線と感情表現を極力抑えた整った形式のなかで表現されています。
新古典主義は、17世紀ヨーロッパのバロック、18世紀フランス宮廷を中心とするロココの流れのなか、また新しい存在として花開いたものです。18世紀末から19世紀にかけてフランスに起こった芸術思潮です。
●ロマン主義
ドラクロワ「民衆を率いる自由の女神」「サンダナバールの死」、あるいはジュリコの「メデュース号の筏」を生んだのが、新古典主義に対立して起こった芸術運動「ロマン主義」です。
ギリシャ・ローマの古典様式を模範として、理想化された人間像を描いた新古典主義では、感情を抑えた整った形式のなかに美しさを求めました。一方ロマン主義は、それとは異なり、人間の主観、感情の動きを大切にします。形式にとらわれない、個人の自由な創造を重んじたのです。
美術史は、このあと、これらの新古典主義とロマン主義のどちらにも属さない、また新たな芸術思潮の誕生を迎えます。「写実主義」です。
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ルーヴル美術館のモナ・リザや、ミロのヴィーナス。
オルセー美術館のモネやマネといった印象派の珠玉の数々。
こういった「印象派」の作品というのは、具体的にはどのようなものなのでしょう?
印象派は、マネの「オランビア」・モネの「ルーアン大聖堂」・ルノアール「ムーラン・ド・ラ・ギャレト」・ドガ「浴女」・その他ピサロなどが有名です。
1860年代頃、フランスのサロンに反対して起った派で、対象の瞬間を印象付けようとしたものです。
光と空気で対象を包み込むように描かれています。
また、印象派以外にも古代オリエントやローマを別にしても、ルネサンス以降にいろいろな派閥が登場しています。
有名なルーヴル美術館のミロのヴィーナスは、古代ギリシャ、ヘレニズム時代の作品です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」はルネサンス期にあたり、14世紀のイタリアではじまり、16世紀まで続いた「古代ギリシャ・ローマの復活と再生の時代様式」と言われるものです。
フランドル絵画、オランダ絵画、バロック、ロココ、新古典主義、ロマン主義、写実主義、点描派や後期印象派など・・・。
いろいろな派閥があり、美術品にあまり詳しく一般的な人は戸惑ってしまうことでしょう。
専門家ではないのですから、詳しく論じられる知識を身につける必要はありません。しかし、知っているのと知らないのとでは観る目が違ってきます。
少し「予習」をして基本的な知識を身につけてから美術館めぐりをすれば、そうでない場合に比べて作品をより堪能できることでしょう。
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